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never enough

FF15がトゥーマッチでもネバーネバーイナフ

【考察】FF15という幻想に重ねられた現実の神話

※1月にpixivに投稿したFF15考察文の転載です

全体の内容は変わりませんが初回投稿時より大幅に加筆した上で、ブログ向けに画像なども追加しています

(現在はpixivの文章もこのページと同じ内容に更新済みです)

 

FF15世界観考察です

ネタバレというか15関連のあらゆる情報を持ってきています
クリア後に目を通していただくの推奨

作品内の要素より現実の言語や宗教神話など、主に外側からの情報を中心に色々こじつけつつ読み解いています
XVのテーマのひとつである「現実に基づいた幻想」というのが世界観のビジュアルだけの話ではないんだな?!といくつかの要素を解いてみてわかった気がしてとても感動しました 

 

書いている人はたまたまキリスト教にちょっとだけ知識があったそこらへんの腐女子です
プロテスタント寄りの出身なのでカトリック用語の誤用とかあったらつっこみお願い致します
さらっとプロンプト贔屓な内容とか見られるとおもいますエヘ

公式をきちんと読み解けたのではと思う部分と独自解釈の範囲かなと思う部分とごっちゃ

情報ソースはだいたいネットで参照できる範囲にお正月の自由研究です…!

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1◇キャラクターの名前について

 

FF15ではキャラクター名や国名とも造語が少なく、特にキャラクターにそれぞれの役割に応じた意味のある名前が与えられて、そこから読み解ける情報はかなりの量があるように思えます

 

◇ルシス王国 (ラテン語系)

Lucis→light

 

・Noctis Lucis Caelum 夜 光 空(or天国) 

15のメインテーマになぞらえたロイヤルで美しい名前ですね

ニフルハイムが地獄の意味も持っているので、天国の意味もある姓は名前自体に物語中の対立構造も含んでいる気がします

また他の〜ス系の名前のキャラは大体が名詞ですが、Noctisは”夜”の名詞noxの、Lucisは”光”の名詞luxの所有格なので、名前を通して「夜の光の空」というフレーズにもなります

光輝く夜空…星の王子さまだ…

 

・Ignis Scientia 火 知識 

発売前は炎系の魔法を使う魔道士ポジではなんて言われていましたがもはや人間の英知=炎を自在に操り仲間たちにおいしいごはんを作ってくれるクッキングママ感

参謀役として仲間たちをバックアップしつつ、ときに母親っぽく叱ったりもして暖かくも松明のように王としての正しい道を指し示す存在としての名前と取れると思います

 

・Gladiolus Amicitia 剣 友情 

腕っぷし仲間想いのオラオラしたかんじがありつつ、花の名前のグラジオラスだとすると妹のイリス=アイリスと同じ分類科のお花の名前の兄妹で実にエレガントだなぁと思います

クレイラスめっちゃ名前のセンスいいなぁ、戦士でありながら貴族の優雅さも併せ持った名前のような感じがします

 

・Prompto Argentum

英語に直訳するとQuick Silver

10年後のハンマーヘッドで購入できる銃の名前がクイックシルバーで感動しました

Silver=破魔の力を持つ銀の弾丸をイメージすると素早い銀の銃弾という意味にも取れ、ガンマンポジションのプロンプトを表しているのかなと思います

もうひとつ、quicksilverという一語で水銀を指します

水銀は錬金術の主要素で、彼の研究所で生まれたクローン(多分)という背景など賢者の石による命の創造というような魔導科学・錬金術モチーフに重なる気がします

 

また主要キャラの中でひとり〜ス系の名前ではないのも、ニフルハイム出身である毛色の違う出自を匂わせている雰囲気もありますよね

同時に名詞promptusなら同じ系統の名前にもできたのに形容詞promptoが名前になっていることは、ヴェルサス時代にプロンプトに充てられていたという裏切りの要素を示す”銀”を使いたいのが先にあり、silverが入る英単語から探してquicksilverがあって、からのラテン語訳でプロンプト・アージェンタムになったのではないかな〜なんて名付けの過程も妄想してしまいます

 

この4人の名前や立ち位置は、それぞれの名前の持つ意味と同時に四大元素(空/火/土/水)や、対立する二要素(知識&剣)+水銀の三つの融合→新しい光という錬金術の構図にもあてはめられて色々想像がはかどります

蛇足ですが3つの元素(エレメント)+アイテム類の4つの融合でマジックボトルを作るのも錬金術なぞらえられてる感じもあるなぁと

本編を通してほぼメイン4人だけのパーティ固定というのは最近のFFではなかったと思うのですが、FFシリーズとしての原点回帰やキングスナイトへのオマージュであると共に、四大元素に4人があてはめられているのならそうした”4人が揃うことで完璧な調和が成される絆”のようなものが名前にも込められているのかなと思いました



Regis 王

前述のノクティス同じく名詞Rexの所有格なので、「王の光の空」という文にもなります

レギスが身を削って保っていた魔法障壁自体が王が民に与える光の空だな〜なんて読んでもいいかもと思ったり

 

・Aulaea カーテン、天蓋、(布の)カバー (アウライア:ノクティス母、英語版Aulea)

名字と合わせるなら光の空のカーテン=オーロラと読むのも綺麗で、さらにAuroraをラテン語に転じさせると夜明けdawnにもなるので幾重にも意味を楽しめる気がします

ED曲『too much is never enough』の歌詞の一節 ”Retreating in covers and closing the curtains” に重ねるなら、幼くして亡くした母の元に行ける〜的なニュアンスも歌詞にあるのかなと思いました

(英語版のAuleaはどうにも意味が見つからないのですが、登場が海外ガイド本の年表の一回のみなので(それは日本語アルティマニアもですが…)もしかしたらAulaeaからaが一つ抜けてしまった誤植なのでは…と思ってしまいました)

ほか風のAuraや金のAureaなども連想してしまいます

アウラってだけでFF:Uを思い出すんですけど30周年だしなんか動いたりしないかなぁぁ

 

・Mors 死 (モルス:先々代の王、レギスの父でノクティスの祖父)

・Cor Leonis 獅子の心臓 某レオンハート君おもいだす

・Clarus 明るさ

・Iris ギリシャ神話の虹の女神イーリス また花のアイリス

お兄ちゃんとお揃いの花の名前かなぁと思います

アイリスといえばフルール・ド・リスの紋章なので何かとこじつけ欲が湧く要素でもあります

・Aurum 金

シドニーの名字はプロンプトの名前と対にされているような気がします

金よりも価値の劣る銀、もしくは黄金への媒介にされる水銀が完璧なものとして憧れる存在=金のシドニーなのかなぁと

・Sophiar 賢明さ シドの老賢人ぽさを指しているのかなぁと

 

キングレ勢

・Nyx Ulric ギリシャ神話の夜の女神ニュクス 遺産、狼の力

・Libertus Ostium 解放された者 扉、入り口

・Crowe Altius 鴉、黒髪の者 高所

・Titus Drautos ローマ皇帝ティトゥスと役割を重ねて?

・Glauca 輝き、灰色



◇テネブラエ (ラテン語・フランス語・エスペラント語)

複数の言語から名前が付けられているならばより中立寄りの国らしさが引き立つなと思いました

Tenebrae → darkness、カトリックの受難節の儀式テネブレ(後述)

・Nox night,darkness,sleep,death,blindness

ノクティスのLucis(lux)=lightに対して様々な捉え方ができるような気がします

15の世界観全体を通して強調されている光/闇の2元構造がここでも出てきています

・Fleuret 小さな花、(フェンシング用の)細い剣

花の可憐さとルシス王を支えるための強さとが表された家名なのかなと思いました

ヴェルサス時代から公開されていた家名ですが、当時のトレーラーでノクティスと対峙するステラがレイピア状の細い剣を召喚していたので何かその辺りの設定に由来する名前なのかもしれません

ヴェルサスのトレーラーで細身の剣を構えるステラ

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・Ravus 灰色(ラテン語) love(エスペラント語)

グラウカとは違う語源の灰色だそうです ニフルハイムの将軍はふたりとも灰色の意味の名前を持っているんですね

片やルシスとニフルハイム、片やルーナを想う気持ちから帝国軍にという複雑な心境を灰色という色が表しているように思えます

・Sylva from the forest (シルヴァ:先代の神凪、ルーナたちの母)

・Gentiana 花のリンドウ(ジールの花によく似ている) 花言葉「悲しんでいるあなたを愛する」

・Umbra 影

・Stella 星

 

・Lunafreya

公式英語表記・発音では日本向け表記のルナフレーナ/Lunafrenaではなく「ルナフレーヤ」となっています

freya,frejaといえば北欧神話の女神フレイヤです

「美、愛、豊饒、戦い、そして魔法や死を守護する太母。女性の美徳と悪徳を全て内包した女神で非常に美しく、自由奔放な性格で欲望のまま行動し、性的にも奔放であった。月の女神でもある。」(wikipediaより)

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"Freya" (1882) by Carl Emil Doepler

双子の兄フレイがおり、ヴァルハラで死者を迎える女神、黄金を生み出す女神としての役割も持ちます

フレイヤが行方不明になった夫を捜して世界中を旅する間に流した赤い涙は、地中に染み入って黄金になったとされている。」(wikipediaより)

こうしたフレイヤの役割は後述するファブラノヴァ神話でのエトロの役割と重なります

ノクティスからの呼び名ルーナ、また作中やタイトル画面での夜空に浮かぶ月の印象的な描かれ方やキービジュアルでも多様される満月など月を意味するlunaの部分が強調されることで彼女の名前のfreyaの部分は意図的に印象をぼかされているような気がします

 

 

◇ニフルハイム帝国 (ノルウェースウェーデン語など北方ゲルマン語中心)

Niflheimr→北欧神話のニブルヘイム、地獄ヘルヘイムとも同一視される氷の国

本編11年前のシヴァとの戦いの影響がどれほどかわからないが、地図上で帝都グラレアは雪原の中央に位置しているようにみえる

もちろん7のニフルハイムもシリーズ要素として匂わせつつ

 

・Iedolas

偶像、傀儡としてのラテン語Idolaをニフルハイムらしいスペルに変換した名前ではないでしょうか

北欧神話の巨人Hyndlasやギリシャ神話の怪物ヒュドラなどの魔物の姿も想起させられます

・Aldercapt alder=age,old capt=主 老いた君主、古き君主というところか

・Aranea 蜘蛛(ラテン語) 彼女の中立よりの立場を表している?

・Loqi 北欧神話のロキ

・Caligo 霧(ラテン語) カリゴは帝国直轄領の出身じゃないとかでもいいなぁと

・Verstael Besithia 多才な獣 (設定段階ではVersatileというスペルだった模様) マッドサイエンティスト

 

古代文明ソルハイム→sol:古ノルド語・ラテン語で共に太陽の意 太陽の国

星イオス→Eos:ギリシャ神話の暁の女神エーオース

六神→Astrals:星からの者、星霊 ラテン語の星astrumより

 

・アーデン

Ardyn シェイクスピアの母の名前Mary Ardyn由来か

Izunia 女性名Elizabethの変形(ポーランド)

合わせて「エリサベトを母に持つ者」と解釈できるのではないかと思います

シェイクスピア・エリサベトについてと合わせて後述します



 

2◇ファブラノヴァクリスタリスと女神エトロ

 

ヴェルサス13との繋がり

ヴェルサス13としてスタートした15では、最終的にストーリーの表面には出てきていないものの、FF13シリーズで登場した神話ファブラノヴァクリスタリスの影響が強く感じられます。

個人的にはこのあたりは神やクリスタルに使命を与えられて〜ってノクトはルシだったのかな〜とか軽く原型を見出す程度にゆるく受け取っています。

ファブラ神話が15世界から切り離された以上、新しく15で目指された世界観とどうしても整合性の取れない部分も発生したのではないかと思うからです。タイトルが15になってからも各国がクリスタルを保有していたりが残っていたりと色々設定も動いていたように思うし…その辺りいつまでヴェルサスのどの設定がどのように残っていたのか明確な時期はわかりませんよね。

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13LRのブーニベルゼ

 

連作として設定されていたのを重視するならば13LRのあとブーニベルゼが作った地球がもしかしたら15世界で〜というのも重ねがちですが、星の名前がイオスとされている以上別世界なのは間違いないと思ってしまっていいでしょう。

仮に13→15で世界が移行したとしたら、LRのラストでブーニベルゼは倒され神のいない世界が始まったはずなので新世界に六神やクリスタルが存在する理由がよくわかりません。

なので世界の成り立ちやノクティスの使命などにファブラ神話全体を持ち出すのは公式から何か言及される機会があるまではあまり考えないでいいんじゃないかなと思っています。

ファブラ神話の削除については、原型を残している要素もあり全てを削除したわけではないと語っているように受け取りました。



女神エトロと15の「死」の概念

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ヴェルサス13トレーラーより エトロについて話すノクティスとステラ

FINAL FANTASY Versus XIII Trailer 2011 - YouTube

 

ファブラ神話から15でも唯一存在が継続しているように思えるのが女神エトロです。

ヴェルサス時代からルシスが死神とされる女神エトロを信仰されているというのは出ていたと思いますが、15になり、発売地域のレーティングによっては主人公たちが死神信仰の国に属しているということを前面に出せなくなったため表面的には削除されたそうです。

しかしリリースされた15でも、ルシスの最も高貴な色は黒で、roenとコラボしたノクトたちの服装やレギスの国章などには死神を表す骸骨のモチーフが多様されています。

 

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またキングスグレイブ冒頭の新聞記事やアルティマニアで名前が登場した先々代の王、ノクティスの祖父モルス。ラテン語で「死」という意味の名前が与えられています。

モルスは本編31年前のニフルハイムとの交戦時に敗れたのち、27年前に死去しています。敗戦や魔法障壁の縮小などを余儀なくされた王ではありますが、ルシスに決定的なダメージをもたらした存在とまでは言えません。失政した王としてメタ的に「死」の名前が与えられたわけではないと思われます。

つまりルシスにおいて「死」は、王の名に冠することができるほど尊い概念として扱われているのではないでしょうか。死とは生を達成した先にあるものであり、魂の循環への入り口であり、女神エトロの元へ還る魂の安らぎとして崇拝されているのだと思います。

 

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from 追い詰められた実績トロフィー追い人 : 【FF13 ライトニングリターンズ】第5回:暗黒街~墓地 -闇の狩人現る- 

13LRでは女神エトロを信奉する集団は異端としてブーニベルゼを祀る神官たちから危険視されていましたが、ヴェルサス=対峙する者として読み解くならばそもそもブーニベルゼの崇拝される世界とエトロが崇拝される世界というパラレルな存在だったというのもありえるかもしれないと思いました。

リンゼとかパルスとかの13の他の神々は15ではまず考えないでいいんじゃないかなと思いますが、15でもエトロ的な女神は魂の循環や人の生死を司る存在として、また六神の上位にいる女神としてイオス世界に存在しているのではないかなぁと思います。

魂の循環を司っていたのは13での設定ですが、六神では御しきれない星の意思や光と闇の均衡といった要素を思うと六神の上位でそれら全てを包括する神は存在しているのではないかと思います。六神は13でいうファルシ的な位階の存在のままなのではないでしょうか。

またあくまでファブラ神話は15から削除されたという点にこだわるのならば、15世界の死の女神がエトロの名前を継承していなくても構いません。ただこの考察文中では、エトロの役割を持った語られざる女神がいるだろうという前提で以降もエトロの名前で話を進めていきます。



フレイヤ/ルーナとエトロ

元から北欧神話由来の要素や語感が多いファブラ神話ですが、ルーナの名前に登場したフレイヤはエトロといくつか関連があります。

それが下記の要素です

・ヴァルハラで死者を迎える女神→まんま13のエトロ

・黄金を生み出す女神 

 行方不明になった夫を捜して世界中を旅する間に流した赤い涙が地中に染み入って黄金になる

 →孤独と無力さを嘆き、自らを引き裂いて血を流しながら母ムインを探す その際流した血から人が生まれる

これらが含まれた名前というだけでもルーナにエトロとしての要素が与えられているように思います

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FF13リリース頃に公式にアップされていたファブラ神話解説動画 

 

 そしてヴェルサス時代からこれはエトロだと明かされていた15のメインロゴの眠りにつく女神ですが、エンディングの描写でルーナの姿と重ねられることからも、リヴァイアサン戦で死亡したルーナが不可視世界(ヴァルハラでもふつうに死後の世界でもいいです)に入ってエトロになったという体を取れば女神からただのヒロインに像の指すところが変わったというわけではなくなると思います。

 

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ロゴの変遷 色が暗くなってより15らしい女神像になった気がします

 

また15キービジュアルの創星神話の絵画で、王と3人の従者たちにメイン4人を当て嵌めるならばルーナはあきらかに女神然とした中央の女性像であると思います。

片翼はアーデンの衣装にみられるのに似た細く伸ばされた翼、片翼は神々しい光を帯びているので、光と闇の二面性を宿した女神なのではないでしょうか。

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人の世界と神の世界

可視世界/不可視世界という人の生きる世界と神々の世界を指すワードは13でのファブラノヴァ神話から使われていますが、15でも人の世界に重ねて見えない世界があるのは示されていると思われます。

 

それを説明するのに登場するのが六神とノクトの武器召喚です。

英語版で六神はThe Astralsと呼ばれており、ノクトの武器召喚も(英語公式でそう形容されたことがあるのか判然としないのですが少なくとも海外fandomでは)”The Astral”から武器を呼び出す、という表現がされています。

astralは一義的には星の〜という形容詞で15の世界観に合わせるなら星霊とするのが適当かと思いますが、一方少しオカルトめいた方面ではアストラルというワードは物質界と神々の世界の間に存在する霊魂の世界のような場所やそこに存在する霊体を指す用語として使われています。

英語版でのアビリティコールも高次への上昇や昇天、即位と幾重にも意味が取れるAscensionという単語が使われていて、どことなく次元の上下やクリスタル世界との出入りがノクティスの能力と密接な関係を持っているように捉えることができるのではと思います。

 

ひとまず15世界では、存在する次元について下記のような分け方ができるのではと思います

◎可視世界=人間や普通の生物が生きる世界

◎不可視世界

・アストラル界=召喚武器が収納されていたり光耀の指輪・クリスタルの力でつながる世界

・神々の世界=六神などが住まう高次の世界

 

なんとなく六神が普段いる次元と、ノクティスが10年眠りについたり歴代の王とニックスが繋がったりした人間がアクセスできる次元はうっすら分かれているようなイメージです。

13と違いヴァルハラやエトロというワードが本編中に登場しないのでなんともですが、上でアストラル界とした層に魂の循環に入る前の場所、物質界と神々の世界の中間としての場所がこの位置に存在しているのではないでしょうか。

 

・ルシス王家は指輪の力や王族の血統によってアストラル界までは干渉できる

・神凪は可視世界から神々の世界へ呼びかけをすることができる

・六神たちは3つの階層の世界を自由に行き来できる

・歴代王は神に近い存在でも神ではないのでアストラル界に存在し、指輪を通してアクセスされたとき以外は外界に干渉できない

などが想定できるのではないでしょうか

 

また以上までを踏まえて15エンディングの結婚式を死後の世界と捉えるなら、不可視界で死の女神エトロに寄り添われ、使命を果たして死への眠りにつく王ノクティス…という図で、死の女神と婚礼衣装で口づけを交わすことで王としての死を迎えるという結婚式に重ねた葬式エンドだと思っています。

死との結婚て耽美な響きで好きなので推していきたい。

 

ルーナの役割についてはもう少しあとでも言及したいと思います。





3◇ハムレットに重ねた王子の物語

 

ヴェルサス時代のトレーラーやコンセプトアートには下記のコピーが頻繁に登場していました。

「物語に本来善悪はない。ただ我々の考え方で、善と悪に分かれる。by W.Shakespeare

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ヴェルサス13トレーラーより

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2007年スクエニパーティのパンフレットより

いずれも動画の冒頭・ラストや見開きページなどに登場し、重要なテーマであることが示唆されています

 

シェイクスピアハムレットからの引用です。

ヴェルサスというタイトルから善と悪をどう捉えるかというテーマについて言及するための引用かと思っていたのですが、ハムレットのあらすじとFFXVの物語を改めて並べると、物語の大きな部分がハムレットになぞらえられていることがわかります。

 

ハムレットあらすじ/wikipediaより引用・一部短縮

舞台はデンマーク、父王が急死して間もなく王弟クローディアスが寡婦となった王妃ガートルードと結婚し、跡を継いで王位に就く。

父王の死と母の早い再婚とで憂いに沈む王子ハムレットは、亡霊として現れた父からその死はクローディアスによる毒殺だったと告げられる。

復讐を誓ったハムレットは狂気を装う。王と王妃はその変貌ぶりを憂慮するが、宰相ポローニアスは、その原因を娘オフィーリアへの実らぬ恋ゆえだと察する。父の命令で探りを入れるオフィーリアを、ハムレットは無下に扱う。

やがてクローディアスが父を暗殺したという確かな証拠を掴んだハムレットだが、母である王妃と会話しているところを隠れて盗み聞きしていたポローニアスを、王と誤って刺殺してしまう。オフィーリアは度重なる悲しみのあまり狂い、やがて溺死する。ポローニアスの息子レアティーズは、父と妹の仇をとろうと怒りを燃やす。

ハムレットの存在に危険を感じた王はレアティーズと結託し、毒剣と毒入りの酒を用意して、ハムレットを剣術試合に招き、秘かに殺そうとする。しかし試合のさなか王妃が毒入りとは知らずに酒を飲んで死に、ハムレットとレアティーズ両者とも試合中に毒剣で傷を負う。

死にゆくレアティーズから真相を聞かされたハムレットは、クローディアスを殺して復讐を果たした後、事の顛末を語り伝えてくれるよう親友ホレイショーに言い残し、死んでいく。ポーランドからの凱旋帰りの隣国ノルウェーの王子フォーティンブラスが、ハムレットの遺言に従い王位を継ぐ。

 

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5幕1場、墓場で道化師ヨリックの髑髏を掲げるハムレット

ハムレット作品のキービジュアルではよくこのシーンから髑髏を手にした王子の姿が扱われます

父王の喪に服すハムレットは作中前半黒い喪服姿で、舞台作品では劇中通して黒い衣装のことも。

 

ハムレットの登場人物を15のキャラにあてはめると、

王子ハムレット=ノクティス

叔父クローディアス=アーデン

先王=レギス

オフィーリア=ルーナ

レアティーズ=レイヴス

 

父王を殺し王位を奪ったクローディアスに復讐して死ぬハムレット、親と妹の無念のためハムレットを狙う兄レアティーズ、溺死するオフィーリア、王子の最後の言葉を受け取る親友ホレイショー

どうでしょう、ぴったり引用されているのではないでしょうか…!

ノクトが旅の過程で集めるファントムソードも、ファントム=父祖の亡霊の意味で王子を導く存在として物語に取り入れられたワードなのではないかと思います。

 

ホレイショーは15の親友たち3人ともでもいいし、貴族の立ち位置ならグラディオ&イグニスのふたりともに合わせてもいいかなと(ローゼンクランツとギルデンスターンのポジションはちょっとあれだ…)

15の物語ではっきり描かれていない部分をハムレットに重ねるなら、王座を奪った者を討った王子ノクティスはやはりあの場で死んでいるし、オフィーリアとしてのルーナもオルティシエで命を落としていると思います。

フォーティンブラスがポーランドからの凱旋の途上というのも、アーデンの名前のところでいきなり出てきたイズニアの名前の地と言えなくもないかなと。

 

ついでに隣国の王子フォーティンブラスのポジションにプロンプトを当て嵌めるのもとても個人的にむねあつです↓↓




4◇プロンプトの出自妄想

 

突然100%妄想です

・イドラが皇帝として前線に立っているわりにレギス以上の高齢に見えること

・エルダーキャプト家はニフルハイム帝国を築いて来、血統による世襲制

・にも関わらずイドラの後継者、皇太子のポジションのキャラが登場していない

・15のキャラクターたちが正面を見据えているバストアップのキービジュアル(イケ面に使われたやつ)でプロンプトとイドラを並べると目元/輪郭/唇の形、肌の白さや小柄さなんかがよく似ているのではと思ったこと

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比較 どうでしょう

 

以上を材料に、魔導兵候補・素材として研究所で生まれる子供たちは30年以上前に命を落としたイドラと亡き美しき皇妃の間に生まれたニフルハイム皇子のクローンだったらいいなぁと。

イドラ自身のクローンではないと思ったのは鼻の形とか全てのパーツがそっくりではない〜けどやっぱり似てる!と思った故です

 

かつては良き君主だったというイドラが死産か戦争でかわかりませんが命を落とした皇妃と息子を前に絶望しているところにアーデンが現れ、私なら2人を助けることができますよと耳元で囁いたりしたならその後ニフルハイムが急速に魔導兵技術に走り、無茶なシガイ研究で悪行を重ねていくのとも辻褄が合うような気がします

アーデンがキャンプでプロンプトを顎クイする仕草も、研究所で見慣れた被験体の顔と似ていることに気付いてのものだったのではないでしょうか。

洞窟でプロンプトを攫ったシガイは皇妃そのものかそのクローンだったりとか。

 

またもし魔導兵に関する研究がアーデンが来るまで帝国でまったく進められていなかったなら、グラウカの鎧がソルハイムの遺産を発掘したものであるように魔導兵・クローン技術もアーデンが持ってきたソルハイム由来のロストテクノロジーなのでは〜と思います。

悲しい出自を背負った魔導兵というのはFFシリーズおなじみの要素のひとつでもありますが、特に古代からの技術なり細胞なりで人造兵を〜というのは7のソルジャーのような感じがあるな〜と思ったり。

もしくは海外ガイドの相関図のほうを取るならヴァーサタイルが宝条ポジションでセフィロスとお揃いだね!

 

簡単にシガイ化しないような優良な個体は魔導兵候補用のケージから出されて皇太子候補として育てられたり。

クローンは全員がプロンプトと同じタイプでなくクローンで遺伝子いじって他にも数タイプいるといいなぁとか(人相悪いヴェルサスプロンプトも15世界にもいたらいいなぁと思うわけです…)…研究所での栄養価の低い食事でも吸収率が良いように遺伝子改良されていて、インソムニアの美味しいごはんを食べたらぷくぷく太っちゃったとか…魔導兵としても皇太子候補としても使い物になる時間が長くなるように、成人後くらいから極端に老化が遅くなる(ルシス王がすぐに老いて短命なのと逆に…だから30代プトもヒゲを生やして童顔をごまかして…)とか………プロンプトのわきの下のホクロ、左だけじゃなく右にもあるように見えるけどけして3Dモデルの反転時のミスとかじゃなくてクローンならなんかそういうとこもあるかなとか………

 

またプロンプトが1歳で養子というのはルシス政府から書類上で疑われないようにとの偽装で、実際はプロンプトも8歳くらいであの小学校に転入してきたんだったらいいな〜なんて思います。

ロキと研究所のギムナジウムで同窓だったとかもいいなぁぁ、ロキとも少し顔つき似ているような気がしなくもない…ニフルハイム人らしい顔つきとかあるのかな。

研究所の狭い生活スペースとか、エレベーターで登った先の高い基地とか研究所でたくさん見かけた虫とかが閉所恐怖症やら虫ぜんぜんダメだねとかのトラウマの原因じゃないかなぁと。

とにかくもしルシス王子とニフルハイム皇子(のクローン)が親友になって並んで旅していたらと考えるとやばいです



 

5◇キリストの受難節に重ねた救世主の物語

 

15のストーリーで描かれている父王の仇討ちと王座の奪還のため奮闘する王子の悲劇という部分はハムレットだけで語りきれるのですが、一方世界を救うという要素はそこでは収まりません。こちらはキリストの受難を引用すると当て嵌っていきます。

キリストの時代(紀元30年頃)のイスラエルローマ帝国の属州となっていて、文化的には比較的自由があったものの人々は自分たちを解放してくれる救世主=真の王の到来を待ち望んでいます。このメッセージは聖書やキリスト教の教えを通して特に繰り返される部分です。

 

受難節

受難節は新約聖書の物語のクライマックスで、キリストがエルサレムに入城してから十字架に架けられ、一度絶命してから3日後に復活するまでの一週間の物語です。

すごく雑に言うとキリストは当時のイスラエルを支配していたローマ帝国や宗教指導者に対してあちこちで喧嘩を売りつつ新しい教えを広める旅をしていました。キリストが神の子として数々の奇跡を起こす旅の物語には弟子たちが武装をしていると解釈できる描写もあります。そうして各地で民衆の支持を集めたキリストは「新しい王」として迎えられつつボス戦の地エルサレムへとやってきます。

帝国の統治下で王として讃えられ支持を集め、宗教の新しい解釈を唱えるキリストはローマ帝国にとってもユダヤ教の司祭たちにも邪魔な存在だったので、あいつ殺そうぜという話になります。キリストは神の子なのでそれを察して俺もうすぐ人類のために死ぬんだわ…と達観し始め、最後の晩餐やユダの裏切りなどドラマチックなイベントが次々起きていきます。

 

・弟子たちとゲッセマネの祈り

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"Agony in the Garden" (1459-1465) by Giovanni Bellini

嘆き疲れて&キリストが神に祈ろうとするとき不思議な眠気が訪れてキリストは3人の弟子に寝落ちされている

受難節の出来事の一部をゲームの14章になぞらえると、まずインソムニアへ向かう前の最後のキャンプのシーンとキリストのゲッセマネの祈りが重ねられているように思います。

キリストは12人の弟子たちと旅をしていますが、その中でも特に距離が近い弟子が3人いました。イエスより年長のペトロと、ヤコブ・ヨハネの兄弟です。年長で弟子たちの親分キャラのペトロ、兄貴キャラのヤコブ、12人の中でも年少の弟キャラヨハネのポジションはグライグプロにぴったりではないでしょうか。

イエスはエルサレム郊外のオリーブ山まで12人を伴ってくると、そこから3人を連れて奥のゲッセマネの園まで行って神にほんとに俺死ななきゃダメ?!と祈りを捧げ、やっぱつれぇわ…と泣きます。わりと話盛ってないです。ゲッセマネの標のつれぇわキャンプです。

15だとこのシーンの直前で和やかな雰囲気の最後の晩餐的キャンプ飯してるのかなと思います。

 

・ユダと銀貨

受難節といえばユダの裏切りも有名です。ユダはキリストがオリーブ山にいるとの情報を体制側に告げて逮捕させ、銀貨の報酬を受取りました。

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"Kiss of Judas"(13th century) by Giotto

祭司長たちを連れてオリーブ山に現れたユダ。

接吻して誰がイエスかを示すシーン ねぇなんでキスしたの???

ちなみに左でナイフ振り回してるのがペトロ。血の気の多いキャラとして描かれています

プロンプトはヴェルサス時から右腕のリストバンドをしていて、よりストーリー途中で裏切る要素が強い設定のキャラだったらしいですね。銀=アージェンタムの名前も銀貨の暗喩として捉えられる気もします。

しかしもしかしたらそんなユダに重ねた裏切り者ポジションだったかもしれないプロンプトも今やヨハネポジにジョブチェンジです、自分の書いた福音書での一人称が「主に最も愛された弟子」のヨハネです ノクプロかよ

描かれたかもしれない裏切りについての要素はグラレアでのシーンで一言ふた言で解決されていましたね。ニフルハイム出身であることの葛藤やノクトとその辺り語り合ったりは本編でもっとゆっくり見てみたかったシーンなのですが、救出時のあのあっさりした会話がプロンプトにとって本当にあっけないほどの一番の救いだったろうなぁと思います

(ついでにノクト=キリスト、プロンプト=ヨハネポジを推すならば、ヨハネによる福音書の最後の頁、21章22節がめちゃくちゃブロマンスでア〜〜〜となるので、ご興味のある方よろしくお願い致します…プはきっと長生きする……

聖書関連でこんなごろごろしたのは太宰の駈込み訴え以来…でもそっちもヴェルサスプロンプトで重ねておいしい…)

青空文庫-太宰治 駈込み訴え 頼むから読んでくれ

 

tenebrae - テネブレ

ラテン語で暗闇を意味するtenebraeは、そのままのスペルで受難週の磔刑の3日前からカトリックで行われる典礼テネブレ=「暗闇の朝課」を意味します。

復活祭前の聖木曜日から3日間早朝に行うミサで、聖書の朗読と賛美歌の歌唱を数回にわけて繰り返しながら13本の蝋燭を1本ずつ消して行き、最後の歌の歌唱後、最後の一本を消すと共に聖堂は暗闇に包まれます。

ミサの参加者はそうしてキリスト絶命の瞬間を追体験するわけです。

アーデンを倒したあと、玉座で歴代の王の剣を一本ずつ身に受けるノクティスの描写そのままだなと思いました。

なぜタイトルは15なのに集める剣は13本なんだろうなんてプレイ中ずっと思っていたんですが、ノクトのキリストに重ねた救世主としての立場を指し示すためにちゃんと意味のある数字でした。



都城、王の間、インソムニアのビジュアル

 

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パリのノートルダム大聖堂

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都城正面

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都城広場の建物

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王の間の内部

テネブレの典礼に加えて、ルシス王都城のモデルである東京都庁自体がパリのノートルダム寺院をモデルにした建築物であり、また王の間も空間自体や装飾までゴシック様式の礼拝堂を強く意識したデザインになっていると思います。

通常の教会の空間で祭壇や十字架が掲げられている場所にあるのが、王の玉座です。

都城自体が巨大な大聖堂で、その玉座=十字架にその命を捧げて世界を救うノクティス…まさしく救世主として描写されていると思います。

 

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ついでにインソムニア自体、城壁に囲まれた平らな街かと思いきやキングスグレイブで見る限り壁内にもけっこう丘や谷があったり起伏に富んだ地形であることがわかります。

エルサレムは現在でも日本の一般的な都市に比べてそれほど巨大な街ではありませんが、オリーブの丘・シオンの丘・ゴルゴダの丘・神殿の丘など周辺や街の内部に多くのアップダウンがあります。

穿ちすぎかもしれませんがモデルの地は東京に加えて、エルサレムも意識してデザインされた街のように思えます。

城壁に囲まれた旧市街の中央部の教会というイメージや、インソムニアの城壁の外ですが検問所あたりの風景もほんとエルサレム郊外となかなか似ているし、というかノクトたちが旅を始めるリード地方の砂漠自体もイエスが旅するガリラヤ地方の風景ぽいなぁとか。

荒野なんて世界中どこも似たようなものかとも思うんですが、個人的に数年前イスラエルを旅行したことがあって、そのとき見た景色を思い起こすような風景にゲーム中いくつも出会った気がします。

なにかと複雑な地域だしもし正解に近いことがあっても多分語られることはないと思うんですけど。。

以下イスラエル関係の写真は全て自前です

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エルサレム郊外 

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王都検問所周辺

 

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ガリラヤ地方の荒野

イスラエルは四国ほどの広さの国土で鉄道は地中海側に1路線あるのみ

車での交通網がめちゃくちゃ発達しています

行ったのが乾季だったので、雨季だともう少し緑が増えるかも?

今は周りがこわいけど治安いいしごはん美味しいし飽きるほど観光スポットあるしいいとこだよ!

 

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リード地方の荒野

 

またイエスの時代のあとの紀元70年頃ですが、エルサレムユダヤ人対ローマ帝国ユダヤ戦争で戦火に呑まれて陥落します。

その際二重の城壁が突破されたり街の中心的存在であった神殿が崩壊したりと、時代は前後しますがキングスグレイブインソムニア陥落と似た雰囲気があるように思います。

またそのときローマ軍の指揮をとった将軍がのちに皇帝となるティトゥス…英語読みだとタイタスです。

タイタス・ドラットーの名前もここから取られているのかも?



数字「14」

ゲームには15ではなく14という数字が印象的に使われています。

ノクティスは第114代ルシス王、ストーリー部分の全体の章立ては14章までになっています。

 

・王の系譜の数字

新約聖書の一番冒頭の章、マタイによる福音書では旧約聖書の最初の預言者アブラハムからダビデ王やソロモン王を経てキリストに至るまでの系図が人名ずらずらと記されています。

イスラエルの十二支族はアブラハムの息子たちから発しているのでイエスの時代から見てすら神話級に古い人物でも系図の起点とされているのは当然なのですが、系図にダビデ王が登場することは大工の息子であったイエスをイスラエルの正当な王の血統であると唱える上で極めて重要な一節です。

また同福音書1章17節には下記のようにあります

「こうして、全部合わせると、アブラハムからダビデまで14代、ダビデからバビロンへの移住まで14代、バビロンへ移されてからキリストまでが14代である。」

14という数字が象徴的に繰り返されています。

 

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レギスが第113代国王だったのはもちろん、ゲーム本編EDで広間に掲げられたタペストリーで正式にノクティス・ルシス・チェラムは第114代の王となっていることが記されています。

FF15なのになんで敢えて114代目の王なんだろうと思っていたのですが、重要視されていたのは救世主にして王であるキリストの系譜を表す14という数字であったわけです。

 

ついでに約2000年のルシスの歴史で114代の王というのは一見大きな数字に見えますが、2000÷114で平均在位期間は17年、指輪の力の行使で代々短命であることを思えば、レギスをモデルに20歳半ばで即位して4〜50歳で年老いて没するとすればちょうどいいくらいかなと思います。

また都市デザインに限らず様々な文化的要素や黒髪が多いなど基本的にインソムニアが東京に重ねられているなら、神話の通り受け取って2千年以上か、少なくとも1300年程度続いて125代を数えている王朝というものにも私たちは親しみがあるのではないでしょうか。



ドロローサの道の14留

エルサレムにはキリストが自分が貼り付けにされる十字架を処刑場であるゴルゴダの丘まで背負って歩いた道、ヴィア・ドロローサという最後の歩みのルートがあります。

Via Dolorosa、ラテン語で「苦難の道」の意味です。

 

ルートの中には14のチェックポイント的なものがあり、それぞれここでマリアと言葉を交わした場所、重さに耐えかねて倒れた場所、見守っていた群衆の一人がイエスに替わって十字架を担いで歩いた場所〜など逸話が残されていて、現在でもそのルートを巡るのがエルサレム巡礼の定番になっています。

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場所によって祭壇があったり、道沿いにパネルだけあったりと様々

その14ヶ所ですが、第1〜9留はエルサレム旧市街各所に点在しており、第10〜14留はゴルゴダの丘があった地とされる聖墳墓教会の内部にあります。

 

もうお分かりかと思いますがこの構図はXVのゲームの章構成にそのまま当て嵌められているように思えます。

自由度が高い旅ができる1〜9章までと、受難の道の途上ながら街のあちこちで人々の温かさに触れるエピソードの多い第9留まで。

寄り道のできない一本道のストーリーになり苦難の旅の色が強くなる10〜14章と、茨の冠を載せられ衣服を剥ぎ取られいよいよ十字架に付けられ死の瞬間を迎える第10留以降。

キリストが衣服を剥がれみすぼらしい格好で10留から先を歩み十字架にかけられたように、友やレガリア、武器召喚の力や10年分の人の世での時間など様々なものを失って疲れ果てながらも王として玉座に向かうノクティスの姿が重なります。

 

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from REGIS レギス | キャラクター設定資料集 | FINAL FANTASY XV | SQUARE ENIX

またレギスが身に付けているのみの登場ですが、ルシス王の王冠は茨の冠モチーフに見えます。茨の冠を戴き苦難の道を歩くことを宿命づけられた王家というか。

それとイエスの死の3時間前から昼間にも関わらず全地が真っ暗になり、イエスの死の瞬間天変地異と共に闇が晴れたという描写もあります。

3時間前=3章前なら12章のテネブラエから夜が1日を占めるようになった作中の描写とも重なるのかなと思いました。

 

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聖墳墓教会内の「エディクラ」と呼ばれる小聖堂 キリストの石墓が収められている

そして第14留自体にはイエスの墓所が定められています。

14章ではインソムニア自体が、もしくはあの玉座こそが王ノクティスの墓所という位置付けなのかなぁと思います。

FF15のゲーム全体がノクティスの受難の道で、プレイヤーはその道筋をたどり巡礼していると取ることもできるのではないでしょうか。

 

さらに主にカトリックでは近年イエスの死の場所である第14留を、同時に復活の場所として第15留と解釈する向きもあるそうです。

ゲームの15章は過去に戻れるのみですが、命を捧げた玉座から立ちあがり、ノクトがもう一度歩み出す未来があればいいなと思います。



・Via CrusisとVia Lucis

この受難の14留の場面はキリスト教でVia Crusis(the way of cross, 十字架の道行き)と呼ばれ、宗教画や彫像、ステンドグラスなどとして図像化されて特にカトリック系で教会の内部に一周配置されたりしています。

エルサレムまで行けなくてもお近くの教会で受難の道を辿る巡礼できちゃうよ!ていうやつです。ヨーロッパでは有名な画家の作品が観光の目玉になっているような教会も多いですね。

 

その受難のVia Crusisと対になるものとして、カトリックで90年代からVia Lucis, the way of Lightというものが提案されているそうです。

(参照したリンクではイタリアの神学者の方が提唱して教皇庁も承認して〜と読んだのですが、まだ新しいものですしおそらくまだまだマイナーなものではあると思います)

受難の14場面に対応するものとして、磔刑の3日後から40日後の昇天までのキリストの復活の14の場面を選んだものだそう。マリアや弟子たちが空になった墓を見つけたり、復活を信じない弟子の前に繰り返し姿を現したり弟子たちに各地に布教に行け〜と示したりといった場面です。

14章までで使命を果たしてノクトも死にましたけど、復活と希望の新しい14の章を語るXV-2やっぱりどうですか、ねぇねぇ。だってVia Lucis編だよ、ぴったりじゃないですか。

 

キリストの場合復活から40日後にはまた昇天してしまうんですけど、再会ハピエンに見せかけた別離エンド地雷なのでノクトには復活した暁には王の力を失って人間として幸せになってほしいなぁと、心から願っています。




◇ほかの本編中の聖書関連のネタ

・プロンプトの「光あれ!」

他のゲームでもお決まりの台詞らしくてそういうパロディ要素も踏まえつつかもですが、やっぱり旧約聖書の最初の言葉ですよね。

その後闇に包まれる世界を思うと一層グッとくる言葉です。

 

・魚=キリストのシンボル

ノクトといえば釣り好きで、ゲーム中のスキルも魚のアイコンで表されています。

一方キリストのシンボルも「イクトゥス」と呼ばれる魚のマークです。

初期キリスト教徒が迫害を逃れて互いを示し合うために、キリストに関するワードの頭文字を繋げてギリシャ語で魚を意味するイクトゥス-ΙΧΘΥΣの文字や魚のマークを使用したのが始まりですが(隠れオタクが一見わからないデザインのグッズ持って街中で視線を交わし合うのとやってることは同じです)、現在でも欧米やキリスト教界隈ではキリスト教徒を表すシンボルとしてデフォルメされた魚のマークはごく一般的に使われています。

こんなところでもノクティス=キリストの図式が示されているのかな?と思ったり。

 

・Apocalypsis Noctis

黙示とは「隠されていたものが明らかになる」ことで、黙示録とは世界の終末や救いについてなどの重要な神からのメッセージが込められた文章のことになります。

神から受け取った啓示を記したものとも言えるので、そのままなら「ノクティスの黙示録」ですが「ノクティスの啓示」と言ってもいいかもしれません。

この曲に限らず賛美歌っぽいドラマチックな曲調の曲も多くてキリスト教らしい世界観が引き立てられているのでは〜と思います。

 

新約聖書の盲人の癒しと池の奇跡

オルティシエでの戦闘でイグニスが失明し、その後不協和音を生んでいた仲間たちが和解しイグニスが一緒に行きたいと胸の内を明かすエピソードが描かれる11章には池が登場します。

このエピソードは聖書のヨハネによる福音書9章1〜7節での、生まれつきの盲人の目にイエスが泥を塗り、池に行って洗うと目が見えるようになった、という逸話になぞらえられているように思えます。

ヨハネによる福音書は聖書のなかでも特に光と闇についての話題が多いので、このエピソードでイグニスが自分の見えない視界のなかに彼なりの光を見つけたかと思うと感慨深いです。

(こちらは1月に考察文をアップした際に読んでいただいた重節陽さん(tw@cho_setuyo)にメッセージで教えていただきました。11章を初回プレイしながらすでに盲人と池という要素からきっとイグニスにとっての救いが示されるエピソードなんだろうと想像されていたそうで…すごい…!! ありがとうございました!)

 

このように聖書の逸話やキリスト教関係のネタと重ねられる部分はもしかしたら本編中に他にもまだあるんじゃないかな?と思ったりです。



 

6◇アーデン・イズニアとは

 

アーデンの衣装には15本編での登場時こそ身につけていませんが、キングスグレイブでの登場時や他のキャラクタービジュアルなどでは左腕部になかなかファンタジー感ある翼のような装飾を身に着けています。

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ARDYN アーデン | キャラクター設定資料集 | FINAL FANTASY XV | SQUARE ENIX

片翼の天使セフィロス由来かもというのもありFFお約束の悪役像を匂わせると同時に、15のタイトルロゴや神話の絵画で中央に描かれているエトロとされる女神の左翼とそっくりお揃いの羽になっています。

私はこれをアーデンもノクティスを救世主として育て導くエトロの半身であるとの描写ではないかなと思っています。

本編で身につけていないのは特に14章で直後のエンディングでルーナと寄り添うようなロゴ演出でプレイヤー側にあれこの羽さっきアーデンがつけてたぞ?と違和感を抱かせないためかなぁ…。

あと動かしにくそうな大きいパーツなので車に乗せたり街中に立たせたりが大変なのかもしれないとも思ったり。

ラスボス戦で第二形態とかあったら翼付きの姿も見てみたかった!!



そして彼の名前についてです

 

・Mary Ardyn=シェイクスピアの母の名前

ノクティスをキリストに重ねたときにMaryから聖母マリアが連想されるのは勿論、ハムレットをベースにした物語世界に於いて、Ardynは二重に”母”の意を指しているのではないでしょうか

 

またアーデン版シェイクスピアというシリーズの本が存在します

19世紀から刊行されているシェイクスピアをより研究目的に註釈などを添えたバージョンで、アーデン版という呼称はシェイクスピアの母親から、また同じく彼女から名前をつけられた『お気に召すまま』に登場するアーデンの森から取られているとされています。

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せっかくなのでアーデン版ハムレット入手してみた

細かく現代語への註釈がつけられていたり関連する研究エッセイが掲載されていたりと4cmくらいの厚さのボリューム。。

ハリポタシリーズと同じ英大手出版社のbloomsbury出版の本です

例えば同じ原作からの翻訳で岩波版・集英社版などのバージョンがあるようにアーデン版という名前自体に深い意味があるわけではありませんが、シェイクスピアとアーデンの名前に強い繋がりがあることの証左と言えるでしょう。

併せてキングスグレイブや本編英語吹替では、ほかの役者さんもイギリスの方が多いようですが特にアーデンの台詞回しはシェイクスピア劇のような史劇を強く意識しているように思いました。

 

・Izunia=女性名Elizabethの変形

欧米圏でメジャーな名前は国によってスペルや発音が変わったり変形が膨大な数があったりします。

例えばHenryだったら英語でもバリエーションにHarryがあるほか、ドイツ語ではHeinrich, Hendrikなど、北欧ではHenning、イタリア語ではEnricoなど、うっすら似た響きを残しながらもカタカナで書いたら一見繋がりがわからないような名前も珍しくありません。

 

イズニアはそうした名前のひとつで、女性名Elizabethのポーランド・スラヴ圏で使われている変形のひとつのようです。

wikipediaポーランド語版でエリザベスの変形として記載があるほか、facebookポーランド出身のIzuniaさんがいらしたので由来辞典などだけでなく現代でも使われている名前です。

頑なにポーランドにこだわるつもりはないんですが、ハムレットの項で少し触れたハムレット亡き後ポーランドからの凱旋帰りのフォーティンブラスが次の統治者になるというのは、ポーランド要素=アーデンが討伐された上で次のルシスの平和が築かれていくという意味にも読み解けるのではないでしょうか。こじつけが強い部分ではありますが、散りばめられた小さなヒントと捉えることもできると思います。

 

そしてElizabethはエリザベス女王など一般的に知られた名前ですが、元々は新約聖書に登場する人物エリサベトを元にしたヘブライ語由来の名前です

母=アーデンと併せて、「エリサベトを母に持つ者」と解釈することができるのではと思いました。

エリサベトの息子、すなわち洗礼者ヨハネです。

 

イエス・キリストよりやや年長の同時代の人物で、イエスが預言者として活動を始める前から人々へ預言や洗礼を行い、彼こそが救世主ではと人気を集めていました。

イエスも自身の旅を始める前にヨハネの主催する教団に所属し、ヨハネによる洗礼を受けていました。

しかしヨハネはイエスに洗礼を与えた瞬間に彼の自分を超えうる力に気付かされ、自らは救世主ではなく彼を導く預言者だと自覚します。キリスト教ではイエスを導く先駆者として崇拝されています。

アーデンもまたノクトの先を知った顔で歩み、彼と自分は似た存在だと匂わせながらノクトが王として力に目覚めていけるように導いていきます。

 

聖書世界での洗礼は、沐浴のように水に身を沈めるか、手を額などにかざすようにしてさずけられます。

15世界で神凪ルーナが人々に癒やしを授けるのと似た所作ではないでしょうか。かつて人々の病をその身を犠牲に救っていたアーデンも、同じ洗礼のような所作をしていたのかもしれません。

そうして次の救世主では新しい王なのではと期待を集めていた洗礼者ヨハネですが、当時の王の近親婚を咎めた結果不興を買って死罪となりました。宴席で王の娘サロメヨハネの首を欲しがったというエピソードも有名です。

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"Salome" (1515) by Tiziano

ついでに絵画でのビジュアルはイエスより年長にみえる風貌、肩につく程度の長さの巻髪、髭面、ブラウンの毛などアーデンとの共通要素も多いように思えます。

アーデンが赤がかった髪色なのはキリスト教圏の赤毛=魔のものとする暗喩かなぁとも。

 

イエスの母マリアとヨハネの母エリサベトは従姉妹か親戚同士で、(一応イエスに受け継がれている王の血統は父ヨセフ由来ではあるので仮に義理でも)その意味ではヨハネもイエスと同じ一族、王の一族の者と言えるでしょう。この点もルシス王家の血を引くものであるアーデンのポジションをクリアしています。

いずれ救世主となるのではと囃された人気と新の救世主の先駆者としての立場、「王」という存在に殺されたことへの恨み。

ハムレットでのクローディアスと併せて、洗礼者ヨハネもアーデン像に結びつけられるのではないかと思います。

 

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イザニア・オーバンブラーレ 英語版だと名前はEzmaのようです

またゲーム本編にイザニアという女性が登場しますが、アーデンという重要人物とわざわざ近い名前が付けられているのは彼女自身の名前に大きな意味があるというよりはアーデンの”イズニア”は女性の名前である、と示しているヒントのような位置付けなのではないでしょうか。

レギスの古い知り合いとだけ明かされているイザニアですが、姓のオーバンブラーレから過去にメルダシオ協会と揉めたというマルムレームの森の魔女キミア、そしてゲーム序盤からノクティスたちと交流があるデイヴと血縁関係であることが伺えます。脅威の扉を開ける鍵は代々一族に継がれているものなのかもしれませんね。

なので特に彼女自身がアーデンの縁者であるというわけではないと思うんですがどうなんでしょう…。

 

またアーデンの人物像や過去についてですが、私はルシス王国が始まってからしばらく代を重ねてからの人物であると思います。

アルティマニア等に掲載されているイオスの歴史はあくまでノクトたちの世界で正史とされている表の歴史で、全てが語られているわけではないのではないだろうか。

王家の歴史から存在を消されたアーデンについての出来事はイオスの年表の外でのもの。その前提ならアーデンが建国に近い時期の人物である必然性はない。

・14章で王の間の前室で壁画の王たちを見上げるノクトが「この中の一人だったかもしれないんだな」と述べている=建国期の王など王家にとって特別なポジションの人物ではなく、歴史の中のひとりの王と捉えるのが自然ではないか。

・アーデンが自身のファントムソードを呼び出しているので、王子であるうちにアーデンもファントムソード集めの旅をしたのではないか。つまりアーデンより前に13代以上の王がいる。

・アーデンが治してまわったという伝染病はペスト=黒死病がモデルではないか。

ペストは6世紀に初めてヨーロッパで発生したのち一度姿を消し、14世紀に大流行、のち17〜18世紀まで何度か流行している(→伝染病の流行がたった一度である必要はない。建国の時期のほか、幾度か流行ったとしてもいいのでは)

いずれにせよペストといえば14世紀のものでペスト=中世の病というイメージは強い。

・アーデンの名前とシェイクスピアとの繋がり、シェイクスピア劇や史劇らしい喋り方、またサントラのArdynのテーマにも中世を代表する楽器であるチェンバロらしい音が使われている。

 

よってアーデンに与えられているイメージはやはり中世で、ルシスの歴史のなかでもそれに相当するような時代の人物なのではないでしょうか。

 

以上を踏まえて、アーデンの出自について下記のように想像してみました。

!妄想です!

来たる予言の世に備えるため本来両家の血筋を交わらせず保たなければならないルシス王家とテネブラエのフルーレ家だったが、まだその禁忌の重さが知られていない古い時代に互いに慕い合うルシス王と神凪の間にひとりの男児が産まれてしまう。

アーデンと名付けられた王子は王家の魔法の力と、本来女系にのみ現れる神凪の癒しの力の双方を受け継いだ稀有な能力者となった。

王子として歴代王の剣を集める旅をしながら各地で流行り始めていた太古の時代と同じ病を癒やすアーデンは次第に人々の広い崇拝を集め始める。彼こそが神話の予言する真の王ではないかと噂され王子でありながら強い支持を集めるアーデンに父王は危機感を覚える。

 

民衆からのアーデンへの人気は次第に無視できない大きさになっていくが父王はしかし、クリスタルからアーデンへの啓示が何も与えられていないことを理由に彼を王座から遠ざける。

人々の声を受け、また父王にも認められたいと願っていたアーデンは神凪でありルシスの妃でもある母イズニアを頼り神々に自分が王の器であるかを訊ねるが、クリスタルは彼は予言の王ではなく、すでに病を身に溜めた彼は子を成せず血筋は絶え、星の未来を永遠にふさぐものでしかないと告げてアーデンの存在を拒む。

そこで癒しの力を奪われたアーデンの身にはそれまで健康を蝕みこそすれ溜め込むばかりだった星の病の膿みが一気に湧き出し、皮膚や血は黒く濁りシガイに近い存在に変わっていく。

それまでアーデンを崇拝していた人々は手のひらを返すようにアーデンを魔のものだと呼んで石を投げ始め、父王は妃の反対にも関わらずアーデンを処刑することを決める。火刑やあらゆる方法が試されるが元来の強い力からそれらではアーデンの命は断てなかった。

 

その処刑で表向きは死んだことにされたアーデンは王家から名前を消され、かろうじて母の神凪の力でそれ以上の闇の力の発動を抑えられながらも幽閉される。

その間に父王と神凪の妃は離縁しそれぞれ他の家から新しく伴侶を迎え、アーデンと半身ずつ血を分けた弟妹が王位と神凪の地位を継ぐべく新たに生まれた。

母が死去するまで幽閉生活は続いた。母のいる間はせめて人であることを選んでいたアーデンだったがその後は年若い妹の庇護を拒み、シガイと化して闇に身を消す。20代の若き日に囚えられてから長い月日が経ち、彼の身体は幾らか老いを帯びた壮年期に差し掛かっていた。

赤髪の王子の顔を覚えているものは少なく、名を尋ねられれば王妃の位を失った母の名前を連ね、アーデン・イズニアと名乗るようになった。

強い力を持った王子の名を消したあとの両家には不思議としばらく力の弱い者が続き、その間にアーデンは星の病とシガイを操り、夜を魔物の世界へと変えていった―…

 

…とかってどうでしょう。ちょっと物語調になってしまい恥ずかしいのですが。

15世界では異能の力が極めて限られた人間しか使えないことを思うと、癒しの力を持っていたというアーデンが神凪の子であることはまず間違いないのではと思っています。

かつ、予言の世が来るまで王家と神凪の一族はそれぞれ血を守らなければいけない=両家の結婚は禁忌であるということも本編から読み取れます。

これものちにアーデンがノクトとルーナの結婚を提案することのイレギュラーさを引き立てるとともに、アーデン自身が史上唯一の禁忌の子であることを意味していたらと思いました。

また婚姻に関する禁忌という部分は洗礼者ヨハネヘロデ王の近親婚を咎めて死罪になったこととも重ねてみたり。

 

クリスタルがアーデンを拒み〜とは本編中でも言及されていますが、クリスタルがそもそも星の闇を払うため=いずれイフリートを倒して星の病を根源から断つことのために六神(イフリートをハブった五神)が人間に与えたことなどを思うと、いちど世界が闇に覆われるような状況は六神が星のために作り出したかったものなんじゃないかなと思います。

そのために闇を育てる役割にアーデンが持ち出されていたとしたら、アーデンはアルティマニアのインタビュー通り特に彼自身の大きな目的というものはなくて本当に早く解放されて眠りたいしせいぜいスカッと復讐したいだけというのも頷けます。

ファブラノヴァ的に言うなら彼もまたクリスタルが大きな目的を果たすために選ばれたルシのような存在だったんではないかなぁと。

ノクトにもルーナにもアーデンにも過酷な運命与えてく六神とクリスタルほんとゲスい。

 

・ルーナの母 Sylva

キングスグレイブの冒頭で登場するのみの先代の神凪シルヴァですが、サブキャラクターのひとりずつにまで役割に準じた名前が与えられている15ではその名前にも何らかの意味があるのではと思ってしまいます。

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名前の項で触れた通り、シルヴァ=from the forest 森から来た者 の意味です。

森という要素は15の物語の中ではダンジョンの名前程度にしか登場していませんが、一方気になるのはシェイクスピア『お気に召すまま』の”アーデンの森”です。

上記のアーデンの出自についての妄想では、ルシス王家もフルーレ家も半身ずつアーデンと同じ血を分けた兄妹たちがその後血統を継いだという風に繋げたのですが、それになぞらえて「フルーレ家もアーデンと同じ血を引いている者=from the Forest (of Arden)」と解釈するピースだったらいいなぁと思いました。

ルシス王家とフルーレ家と両方を恨みに思っていることにより筋を通しやすくなるのではないでしょうか。



 

7◇ルーナの役割とは

・数字「15」を象徴する存在

ヴェルサス13→15とタイトルが移行するのに合わせて、ヒロインはステラからルナフレーナに変更されました。

プロンプトや他のキャラクターでもビジュアルやキャラクター性の変更は行われましたが、すでに肉付けされていたヒロインが全く名前ごと交替してしまうのは極めて異例と言えると思います。

 

受難節の項ですでに数字「15」が復活を意味しているのではという点は触れましたが、他にも15という数字は大きな象徴性を持っています。

月齢15は、日本でも古くから十五夜の月と呼ばれるように満月の月齢です。

そしてFF15ではキービジュアルでもゲーム内でも(日の経過に関わらず空にずっと満月が浮かんでいたり、タイトル画面で月が巡ってきたりと)満月のイメージが多様されています。

FF15は30までの数字のなかで一番満月が似合うというか、月の要素を使わなければいけないタイトルであるように思えます。

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luna editionでこれほど満月でかでかデザインされてるのなんでだろうと思ってたんですけどもうこれ自体で「15」の象徴なわけですね…

一目惚れして私も購入したんですけど最の高としか言えない…

そうして月の象徴を持つタイトルだからこそ、そりゃもうヒロインの名前もルーナにしますよね。ついでに高貴さもプラスしてルナフレーナになりますよね。あ〜もうそうするっきゃない。

ヒロイン像変更が発表された当時のATRでは「ステラに持たされていた役割が15では満足に発揮できないため」なんてことが語られていたように思いますが、それ以上に月の要素を抱えたヒロイン像が新たに重要になったからこその変更だったのだと思います。

タイトル自体の象徴を名前に持ったルーナ。

やはり15の世界全体を包むような、女神然とした存在であることが強調されているのだと思います。

 

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一方オルティシエの亡霊にステラのモデルが使われているんじゃ…なんて噂されましたがどうなんでしょうか…不憫……

 

・女神になる神凪

15世界での神凪は癒しの力を持って人々を守り、六神と対話し王を助ける〜という役割ははっきり明らかにされていますが、tenebrae=テネブレの典礼が救世主=ノクティスに死を与えていく本編の描写と重ねられている以上、テネブラエの神凪というのはいずれ真の王を救世主として死なせるべく神々と対話を重ねる役割を持っていたと言えるのではないでしょうか。

生前の神凪としての使命もそうしたノクティスにやがて死を与えるものであり、オフィーリアに重ねられた悲劇を経て人として死に(水に全身を浸からせて高次の存在に変容するというのは洗礼の手法でもあります)、自らが不可視世界に入ると、いよいよ死の女神エトロとしての性格を強くするようになるのではと思いました。

2項で語ったこととと重ねるようですが、死と再生の女神となって王の使命を果たしたノクティスをヴァルハラに迎えるという役目をエンディングで果たしているのだと思います。

 

またここからは妄想ですが、女神になるというのは死後元々存在してたエトロの一部にルーナが合流してあのEDの亜空間的な場所に浮かぶ王の間での結婚式に至るというイメージだったんですが、そもそもイオス世界での主神の女神がイフリートに殺されたか、別世界(13-2)で死んだからか何かで太古の昔からエトロの座が空位で、ルーナはその女神の座を埋めるために選ばれてたんでもいいかもしれないと思いました。

女神が不在であるために星の瘴気(ライフストリームが正常に循環してないと自然発生しちゃう系の闇、13ぽく言うなら混沌)が溜まっていて、イフリートがその澱みを虫の病として発現させていたのでは〜なんてどうでしょうか。

ルシスのエトロ信仰は死への信仰と同時に女神の再臨そのものを祈ってるとか。

 

六神(エトロのファルシ)がやがてもう一度星と自分たちに必要なエトロを迎えるために人間にクリスタルを与えて王と神凪を選んで、星の病が極限まで溜まったときに真の王が発動させる闇を祓う力の強大なエネルギーを媒介に神凪の聖女を女神化させる、的な仕組みがあってもいいなぁと思いました。

ノクティスが光を取り戻したことでこれ以上シガイが発生しなくなるというメカニズムがわからなかったんですが、ルーナが女神になって循環もうまく回るようになることでもう星の病も発生しなくなるなら、ノクトが与えた光で全部消滅したから大丈夫!て以上に二重に納得いくかな〜と。

ノクトが病の掃除をして、ルーナが女神になることで病の根本も断つ!的なイメージです。

 

神凪が王の助けとしてだけ存在しているのではなく、ノクトが真の王として選ばれていると同時にルーナも女神になるべき存在として選ばれていて双方の存在を高次に引き上げるための鍵を担いあっていたらいいなぁと思いました。

・神凪→人の子を真の王とするための助けを神と対話して与える

・真の王→最後のときに神凪を女神にするトリガーを引く

という役割。。

互いに互いのための最後の存在として運命付けられている関係がノクトとルーナだったらぐっときます。

 

・ルーナの2つのキャラクター像

またキングスグレイブのルーナとゲーム本編のルーナのキャラクター像には敢えて差が与えられているように思えます。

キングレルーナの一人で選択して進む自立した強さと、本編ルーナの柔らかさのなかにある守る強さとの印象の落とし所は個人的にもなかなか見つけられなかった部分でした。

製作サイドからは「守られるだけじゃないヒロインにしたかった」というのは何度も語られていて、製作がキングレと本編とせっかく2タイトルある中でそれぞれ"強い女性"を違う描き方をしているんだと思ったらやっとすんなり飲み込めたというか。

つまり目的のためにバリバリ能動的に動く女性像と、庇護する対象のため身を捨てる強さを備えた女性像のふたつです。

例えるなら自身の人生を達成するためにキャリアに燃える女性と、我が子のための強い母性を持った女性で、両者は正反対の二極性のようでもあるし、同時に不可分な要素でもあるのだと思います。

解決しづらいテーマだと思うんですがそれを一人のヒロインで見せてきたところがまた15すごいな〜〜と思ったり…。

 

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キャラクター設定資料集 | FINAL FANTASY XV | SQUARE ENIX 

またキングレと本編とに共通して登場するキャラクターは他にもレギスやアーデン、イドラなどがいますが、実在の俳優さんをスキャンしてモデルが作られているキングレともう少しゲームらしい顔をしている本編ではキャラによって差が生まれている部分もありますよね。

レギスは本編での登場シーンが多くないのもあり同じモデルを使っているように見えるしアーデンも大きな差は感じませんが、ルーナについては正直キングレと、ゲーム本編のFF顔らしいビジュアルの違いが顕著だと思います。

これも2作間で印象のギャップが深まる原因のひとつだと思うのですが、そもそもキャラクター像の内面部分を違うアプローチで描こうとしているのならビジュアルも2作間で近づける必要がないのではないでしょうか。

開発側で意識して作られたギャップかはわかりませんが、個人的にはビジュアルの違いもこうしてルーナについて思い巡らせるきっかけにもなったしどっちも美しくて好きだなぁという風に落ち着きました。

ほんとどっちも好きでニックスと並べたいのでキングレルーナのフィギュアーツもください(ワガママ) 

 

・聖母性

すでに名前からフレイヤの役割と、ハムレットでのオフィーリアの立ち位置、またファブラノヴァから女神エトロの役割を与えられているルーナは、ノクティスがキリストに重ねられている新約聖書の方面ではどのような立場を与えられていると言えるのでしょうか。

キャラクター像の2つの姿という方面から踏み込むと、前者の自立した女性像は前述のフレイヤ=エトロ的女神像までに落ち着きますが、後者の強い母性を持つ女性像を語るならばやはりキリスト教最大の聖女である聖母マリアの姿を重ねられるのではと思います。

 

本編中ではノクティスの"母親"についての要素が不在のままになっています。

アウライアの名前すらアルティマニアで一回登場したのみで、またノクトをキリストとみるかハムレットとしてみるかで彼女に想像する母親像は正反対のものになると言えるでしょう。

かたや聖母マリア、かたや先王の死後すぐにクローディアスと再婚し不貞の象徴として語られるガートルード。そのかけ離れた二面性をあまり登場させられない人物の中で昇華するのは難しかったからまったく本編中名前も出てこないほど返って不在が印象づけられているのかなと思いました。

 

それも母性の役割がルーナに与えられているからこその神秘のカーテンに包まれた母親像なのかなと。

アウライアの代わりに遠くからずっとノクティスの成長を見守って無償の愛を与えているのがルーナなのではないでしょうか。4歳上とやや年齢差を持たされていることもそんなママみを強くしている気がします。

FFシリーズの主人公とヒロインではあるんですけど、この2人の関係ってどうにも恋愛の感情で想いを寄せ合っているというよりは慈愛の情で慕い合っているアガペーぽい雰囲気で語るほうが合っているように思います。

ジールの花の青もルーナの色として印象づけられていますが、キリスト教での青=聖母の色というのも重ねられたり。

となるとEDで寄り添うふたりは、死の女神との結婚式であると同時にもう十字架=玉座で役目を果たしたところを寄り添う聖母子のピエタ像にも見えてくるような気がします。



・王と神凪の結婚

アーデンの項で少し触れましたが、王と神凪は予言のときが来るまで別々に血筋を保つのがマストではと思うので、長い歴史の中で交流や協力関係を持ちながらも両家の結婚はタブーだったのではないでしょうか。

その前提ならば子供の頃からノクトとルーナが許嫁同士だったというのはまずありえないのではと思います。

ノクトがクリスタルに選ばれた後もレギスはぎりぎりまでノクトのその役割が来ないものなら来ないほうがいいと考えていたでしょうし、もし予言の時が来なかったならフルーレ家以外の女性とルシス王家の血筋を次世代に託すようにさせたのではないでしょうか。

他国がニフルハイムの勢力下にあるあの現状ならルシス国内の有力な家からということになるでしょうし、彼女自身の恋心と同時に実際イリスあたり適任だったのかもしれません。

 

よってキングレでアーデンが王子と神凪の結婚を提案してきたのは、レギスにとっては神話と予言の事情を知る者から「終わりを始めようじゃないか」という絶望を提案されたようなものだったのではないでしょうか。

それだとあのムムッと警戒を強めるのと焦りとが同時に湧いたようなレギスの息を呑む表情も納得いく気がします。昔から交流のあるただの令嬢との結婚ならそんな危機感を抱くことではないですもんね。

お前らにこれまでのような次の世代はない、って突きつけられたからこそ、帝国軍を城で迎え撃つ背水の陣を選ぶことになっていったのではないかと思います。

そしてそれまでの歴史では星の未来のために絶対あってはならなかったことだからこそ、EDが王と神凪のふたりの結婚式で締めくくられていることはそれまでの時代の終わりと救われた新世界の輝きとを示しているようでとても神々しいなぁと。

あのEDの死後の世界から女神と真の王としてイオスを見守りながら過ごすのもよいし、もしノクティスにキリストよろしく復活の機会が与えられるのなら、ルーナなら笑って送り出すんじゃないかなと思います。おじいさまになったらまた会いにきてくださいねとかって、言って欲しいな。

 



8◇まとめ

 

正直に思い返すと、FFXVをストーリー一周クリアして、ノクトの運命に号泣しつつまず思ったのは神話や世界観設定についての情報量の少なさでした。

あと少し進んだら二十四使や六神、太古の大戦についてみっちり情報が出てくるんじゃないか…あれ…プライナ死んだん…ぷろんと再会は……あれシヴァも死んでたん…ぷろんの秘密…あれあっさり……お…となってたらラストまで駆け抜けてしまったというか。FF12とかハントカタログでモンスター1匹ずつに神話に絡めた設定があってそれ読むのが大好きだったりしたので、新しいユーザーの入り口にもなるべく作られた15だしこんなもんかなーーと思いつつちょっとさみしく思っていました。

 

しかし実際あのエンディングはどういう風に読み解いたらいいんだろうと思い巡らせ始めた矢先、クリスマス頃にキリスト教系の話題が増えるなかであの最後のつれぇわキャンプってゲッセマネの祈りみたいじゃんとなんとなく閃いたことあたりから紐解き始めたらあっという間に色々と、キリスト教ハムレットといった「私達の現実(の神話や寓話)に基づいたファンタジー」であることがわかってきました。「父と子、そして王の物語」という15のコピーも、思えばそんなに言ってしまっていいのかというくらいキリストとハムレットに重ねられた物語を示唆しているように思えます。

込められていた様々な要素が脳みそに飛び込んでくるのがとてつもない快感で、鳥肌が立ったほど。

 

ファンタジーの世界はときに私達とまったく関わりのない異世界です。しかしFFXVでは、王子としての物語をハムレットが示し、救世主としての物語をイエスの物語が支えていて、それらをファイナルファンタジーの世界に落とし込むためにファブラノヴァ神話から出向してきた女神エトロが覆っているようなイメージを持ちました。

人間の物語、神の物語、幻想の物語がひとつに溶け合ったような、とても美しい調和が成されていると思います。(こう並べるとまたすぐこれって三位一体!とか言い出したくなるんですが)

 

FF15は新しい時代のファイナルファンタジーとして、本当にこれ以上なかったんじゃと思います。

もちろんXVのノクトたちの物語自体にまだまだ見たいと思ってしまった部分がよりDLCなどで補完されていくのも楽しみに待ちつつ…!!

発売してすぐに一周クリアして終わってしまうのではなくて、これからも長く愛して一緒に歩んでいける作品に出会えたことが本当に嬉しいです。

 

またこれは参照させていただいたサイトさんの受け売りですが、FF14に登場した鏡像世界という概念や15のストーリーを通しても強調されている光と闇の対立構造、トレーラーでの初登場時アシエンの格好をしていたレイヴスなど、30周年に向けてかわかりませんがファイナルファンタジーの世界が今それぞれの独立した世界を超えて一つの大きな幻想に集約されてきているのではと思いました。

FFは9あたりからオンライン以外のナンバリングはほぼリアタイでやっているのですが、何年経っても10年待ってもこちらの予想を超える冒険と幻想へのときめきで夢中にさせてくれて、本当に自分にとって特別なコンテンツだなぁぁと胸が熱くなりっぱなしです。

 

2006年のヴェルサス13の発表から10年、わたしたちが10年待った時間はそのまま本編中で仲間たちがノクトを待った月日として昇華されていきました。

新しいトレーラーや新情報が出るたびに、まだかまだかとそわそわしていた気持ち。

プロンプトたちが待った10年はもっと生死の瀬戸際のシリアスなものだったと思うんですが、プレイヤーにも同じ”ノクティスをこれだけ長いこと待った”という心地を持たせてきたのが本当に本当にずるいなぁというか、なんだかもうたまらない気持ちにさせられます。

これまたもっとじっくりクリスタルの中でのノクトの夢や仲間たちの10年の現実などじっくり見てみたい要素でもあるんですが、本編中で一瞬で描かれてしまったからこそ、プレイヤーわたしたち自身が自分の10年間の大きさを重ねてはその重さを想像してリアルに感じられる部分でもあるのだと思います。

 

「現実に基づいた幻想」というコピーやハムレットの一節はヴェルサス時代から使われていたものです。タイトルが15に受け継がれたあとも、ストーリーの大筋は10年間あまり変わっていないのではと思います。

ただヴェルサスはメイン登場人物みんな死ぬだとかもっとバッドエンドらしい終幕を迎える予定だったとか聞くので、数字「13」のみを重視してこの考察で扱った13本のファントムソードでの救世主の死…までの部分で終わるような物語だったのかもしれません。

あるいはその要素が色濃いのがOmenトレーラーで、クリスタルの中でノクトが見た悪夢なんかでもいいけどヴェルサスらしいif世界を表しているのかもと思いました。

ヴェルサスで描かれていた結末も見てみたかったかもしれませんが、私にはそれで充分かなという気持ちです。

 

タイトルが15へと変わって、新しい道を歩んだノクトたち。

聖書の記述やキリストの逸話と重ねられて作中繰り返し登場した「14」という数字から期待するのはそのあとの「15」の時代に甦って生きるノクトの姿です。

ルシス王家の途絶えた世界、115代目の統治者はあの世界に生きる人々に託されたらいいなと思います。いまのところクリア後は過去の世界に戻るほかできませんが、光が取り戻された本当の15章の世界が、復興を目指すたくましい姿や人々の笑顔で溢れていますように。

プロンプトがそんな眩しい世界をたくさんカメラに収めていたらいいな。

その写真にいつか、帰ってきたノクトと、グラディオとイグニスと、また仲良く4人で自撮りしてくれたらいいな。

その日をインソムニアのモデルになった街のすみで、景色に彼らの世界を重ねて想いながら待っていたいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました、何か感じていただけたら嬉しいです。





 

wikipedia以外の参照サイトなど

 

ファイナルファンタジー用語辞典 http://ffdic.wikiwiki.jp

【徹底考察】FF15のストーリーの謎を多角的に解説、メテオは?アーデンの正体は?クリスタル神話とは? http://cslbook.com/game/4470/

Hipocondrie カトリック音楽豆知識 http://www7a.biglobe.ne.jp/~thor/music/nf/relmusic3.html

Cafe d'Angelique 救世主と呼ばれた男 http://yoshua.egoism.jp/kirisuto7.html

牧師の書斎 http://meigata-bokushin.secret.jp/index.php

Body Theology The Way of Light http://www.itmonline.org/bodytheology/vialucis.htm

 

中国の15ファンの方が考察文を翻訳して中国のサイトでも紹介してくださいました!

(内容は1月にアップしていたものです…加筆してしまって本当に申し訳ない;)

http://mizu1128.lofter.com/post/1daeba4e_da63aee

[翻译][考察]FF15这个在现实上缀满幻想的神话_ff15吧_百度贴吧