never enough

FF15がトゥーマッチでもネバーネバーイナフ

Somnus 和訳 - FF15

FF15のテーマソングのひとつSomnus、2016年になって発売が迫るなか発表されたFlorence + the Machineの曲とは違いタイトルがヴェルサス13だった頃から登場していた楽曲です

ラテン語で歌われている歌詞はヴェルサスからFF15に引き継がれても変わっていない物語の根源的なテーマを表しています

!ゲーム本編ストーリーの結末を踏まえた内容になっているのでご注意ください!

 

※下記の訳詞は1月にtwitterで投稿したものと同内容です

 

Somnus <眠り> 

 

ラテン語
Deus dormit 
Et liberi ignem faciunt 
Numquam extinguunt 
Ne expergisci possit 
Omnia dividit 
Tragoedia coram
Amandum quae
Et nocte perpetua
In desperatione
Auroram videre potest
Mane tempus expergiscendi.

 

英語訳
God sleeps
And his children start a fire 
Which they cannot extinguish 
And he will never be able to awake. 
Every tragedy divides, 
before our very eyes,
the things which should be loved.
And in this endless night,
In despair,
He can see the dawn
That will awake him in the next morning 

神は眠り、子らは吹き消せない火を起こす
そうして彼は二度と目を醒ますこと叶わない
ひとつひとつの悲劇が
我々のほんの目の前で
愛されるべきものたちを分け離していく
また果てなき夜の
その絶望のなかで
彼は夜明けを見るだろう
来たる朝に彼を目覚めさせる夜明けを


歌詞引用は英語版ウィキより http://finalfantasy.wikia.com/wiki/Somnus 


15のメインストーリーはハムレットとキリストの受難節になぞらえられていると捉えることができ、その両方の要素はヴェルサス13時から与えられていた材料で読み解くことができます

よってタイトルが変わったあとも、細部の設定はともかくノクティスが王座の奪還のため救世主的に身を捧げて終幕を迎えるという物語は引き継がれていると考えられるでしょう

ヴェルサス時から引用されているシェイクスピアの一節や、13の剣とカトリックのテネブレの儀式などについてはこちらの記事で語っています↓

quicksilver8.hatenablog.com

 

<歌詞解釈>
Deusは男性単数名詞なので15に登場する特定の神ではないのかなと
ノクトを神と見てもいいけど、彼はあくまで人の子の王で救世主であって欲しいので彼がここのDeusになったのではなくて、神(概念ぽいもの)が眠り目を覚まさない=神が人の世に干渉しなくなる=人々が火を起こし→人々が神話を語りつぐのみの神話の時代の終わりとなる でどうかなぁ
(女性名詞で通用するワードだったら前の考察で触れた女神エトロルーナを当てはめてみたかったけど)


もしくは「父と子、そして王の物語」という15のコピーがありますが、父と子ってキリスト教で神とキリストを指すのによく使われるのでノクトをキリストになぞらえる解釈にぴったりなんですね
Deusがキリスト教ラテン語で父なる神のみを指す単語なので、そこからノクティスにとっての父祖=ルシス王朝と置き換えて、ルシス王が眠りについた、ルシス王家の時代は終焉を迎えるが、その王家の物語は語り継がれる、という風でもいいかもしれない

悲劇が分け離していく〜はそのまま、神話が終わりに近づくために運命に直面していった15のみんなのことかな
夜の絶望のなかで〜の節の主語はノクトでしょう
to seeの意の原文videreは現在単数受動態の活用なので、夜明け=ノクトが再び目覚める朝、復活する朝は、ノクト自身絶望のなかで与えられるとは思っていなかったところにやがてもたらされるという希望を未来を示しているのではないかな

ちょっとごちゃごちゃしたので噛み砕いて整理すると↓
神の時代が終わって人々が語り継いでいくよ
みんな心が引き千切られそうになるくらいくらい大変だったよね(キャラにもプレイヤーにも宛てて)
終わらない夜の絶望に果てた彼(ノクト)にもきっと目覚めの夜明けが与えられるよ

という歌詞なんじゃあないでしょうか…ノクトに救いを見出したい

ドラマチックな曲調に加えて歌詞にもノクティス自身を重ねられて目頭が熱くなる一曲です